★☆ Handy Receiver AX400B / IC-R5 / VR-150 ☆★


私のお気に入りの広帯域受信機です。時代とともに筐体は小さくなりますが、手の大きな男性にとってはこれらのサイズでも手に余ることがあります。小型になると携帯性は良くなりますが、肝心な操作性は反比例してしまうので、ここらが限界にしてほしいですね。メーカーへの希望として大きさは”並”までにとどめて”薄さ”に挑戦してくれた方が使いやすい製品になると思います。

広帯域ハンディ受信機の分野を代表する2機種です。値段も手ごろで大きさもほぼ同じで受信範囲も〜1300MHzまでと肩を並べる。
現在はIC-R6 / VR-160へと主役の座はバトンタッチしているものの、まだまだ人気の両機種を比較レポします。
まず、当然のことながらメーカーが違うので開発者の味付け具合により個人的に感じる良し悪しはまさに”一長一短”です。
今更ですが、以下それぞれの優れてると思うところとそうでもないところを纏めておきます。

   ≪IC-R5 気に入ってるところ≫

・ イヤホン端子が上部についている
・ バックライトの緑色(IC-R6はアンバー色になってしまった)
・ メモリーNoとバンクNoを別途に設定可能
・ 空線キャンセラーの設定周波数が可変できること
・ TSQだけでなくDTCSまでを標準装備
・ バンク18 / サーチバンク25と余裕のあるメモリー内容
・ デザインが好き(icomロゴの赤丸もワンポイント)

   ≪IC-R5 満足していないところ≫

・ 電池持ちが悪い(VR-150の約半分)
・ スキャンスピードが若干遅い
・ 各ボタン押下の後に「パスッ」音が出る
・ バンクリンクスキャン設定ができない
・ Voiがボタン式のため調整しづらい
・ 電池が無くなると何の前触れも無く電源が落ちている
・ 電池残量マークがほとんどあてにならない

   ≪VR-150 気に入ってるところ≫

・ スキャンスピードが速く電池持ちが良い
・ バンクリンクスキャン設定ができる(かなり重要)
・ 音(音質)が良いので聞いてて気持ちいい
・ Vol/SQが自然な感覚で操作できる
・ LCD内の文字、数値が大きいので見易い
・ 盗聴器発見機能という付加価値が付いている
・ いかにも丈夫そうなボディ(アウトドア向き)

   ≪VR-150 満足していないところ≫

・ バックライトがとにかく暗い
・ イヤホン端子が横付きなので胸ポケットとかに入れにくい
・ 1,000chメモリー中300chはもう使われて残り700chのみ
・ メモリーにスキップ機能がない
・ スキップさせるメモリーを別所に登録しなければならない
・ 空線キャンセラーが可変できずJR系しか使えない(私鉄系はNG)
・ 取扱説明書がわかりづらい表現で書かれている
・ 操作方法がややこしくわかりにくい(嫌気が差す)
・ SW-ON後に受信可能になるまでのタイムラグが気になる
・ サイドのDC/イヤホンのゴムカバーが千切れやすい

   ≪AX400B 気に入ってるところ≫

・ 時代を超える卓越した受信感度の良さ
・ 外部アンテナをつないでも飽和することなくクリアに感度が上がる
・ イヤホン端子が上部についている
・ 独立したVol/SQの自然な操作感覚
・ 薄型なので胸ポケットに入れやすい(最も気に入り事項)
・ 独特だけどテンキー付きなので周波数入力がスムーズ
・ 電池持ちがとても良い
・ 前モデル(AX400)から大幅にアップグレードした性能面
・ 電池が消耗するとアラーム警告で知らせてくれる

   ≪AX400B 満足していないところ≫

・ ボタン配列が独特すぎるので入力時は戸惑う
・ バックライト(グリーン色)が暗い
・ スキップさせるメモリーを別所に登録しなければならない
・ 空線キャンセラーの装備がないので鉄道系にはつらい
・ 使い方によってはボタン上の数字が消えることがある
・ 外部電源に対応できない
・ PCによるメモリーデータ管理等ができない

   AX400 ⇒ AX400B のグレードアップ内容

・ 受信帯域の下限周波数を500KHzから100KHzへ広げ、強電界での歪みを改善し、混変調に強い設計
・ 周波数メモリーが400ch(100ch×4バンク)から800ch(80ch×10バンク)へアップグレード
・ プログラムスキャンの(上限/下限)登録数が10組から20組へ倍増
・ Skipしたいchを登録するサーチパスメモリーが80chから90chへ増加
 

   【3機種 個人的主観】
一長一短はあれど、自分がどの機能(特徴)に一番こだわるか!でどれををメインにするかは決まってきます。私の場合は操作感が自分の直感的なフィーリングと合うのが大事な要素です。AX400BはIC-R5、VR/150に比べて発売時期が1997年6月と古いため直接比較はできないので”番外”扱いとします。
実践運用ではバンク振り分けが多く設定できることでジャンルごとのメモリー登録が充実した"IC-R5"がメイン機になっています。電池持ちの悪さは”エネループ PRO”を導入したことで苦にならなくなりました。
それぞれ後継機の「IC-R6 vsVR-160」はかなり性能面でもUPしており旧機種の不満ポイントはほぼ克服していると思われますが、私が使う分にはこれで充分過ぎるほどなので用途によって使い分ける二刀流で楽しみます。
 

 

 

PCによる大容量メモリー管理とBack Up

     ≪ICOM IC-R5≫

1,250chもの大容量メモリーをこのテンキーも付いてない受信機に入れるのは大変な作業というか無理だと思います。おまけにメモリーにネームでも付けたら手に追えません。

別売ですがこのソフトは買うだけの価値はあります。
特にR5の場合はメモリー番号とバンク番号を違った番号で登録するため画面上で見ないとわけがわからなくなります。

PCとの接続は転送速度が高いUSB接続により30秒〜60秒程度で転送が終わるので、もう手作業入力なんてやってられません。

     ≪STANDARD VR-150≫

ネット上で入手できるありがたいソフト「tk150」のお世話になりました。おまけに日本語化するパッチも当てはめて大変使いやすいものになりました。提供している方々にお礼を申し上げます。

メモリーはcsv形式でやり取りするので、Excelで作成してcsvに変換すれば大丈夫です。
上のICOMソフトは連続してのセル選択はできませんが、こちらはExcelなので一気に範囲選択や移動などが可能です。

PCとの接続は上と同じUSBケーブルで接続します。
約30秒でメモリー転送は終わります。

 

 

VR-150 DC/イヤホンゴムカバー交換手順 

ある程度の年数が経つとゴムが劣化と折り曲げにより千切れてしまうことがあります。これでも使用上には問題ありませんが、なんとなく貧乏くさいというか、どうにも我慢できなかったので交換することにしました。

販売店経由でメーカーに発注して入手しました。
部分的だけのゴムキャップを想像していましたが、全部一体型のものでした。こんな細いゴム線もあるので作業は慎重になりました。

補修部品の値段は650円でした。

裏面の電池を抜けば上下4箇所のネジで留まっているだけです

上の2本が短く、下の2本が長いネジになります

"カパッ"と開いたところです!

防水効果を高めるべくゴムカバーからシャージの溝に沿って細いゴムが溝に埋めてあるのがわかります

取り外すのは簡単で軽く持ち上げればすぐに外れます

開けたついでですが、丸の中に本来小さなチップ抵抗が付いているのでそれを取り外すと完全フルカバー化受信になる改造ポイントです。

これはすでに撤去した後です。

新しいゴムキャップを溝に沿わせて埋めていきます。一見すると簡単のように見えますが、結構大変な作業でした。大きなゴム部分は中心に溝が切ってあってそこにシャーシ側をはめ込んでいくのですが、どうにも狭い場所で、もうちょっと基板側が浮けば入りやすくもなりますが、基板全部外すのは大変だしリスクも伴うので、片手で基板側を少し浮かせながら横からピンセットを使ってねじ込むように根気よく裏側ゴムをまたがせます。

うまく裏ゴムが入ったら紐のようなゴムを淵枠に沿って這わせます。

先の細いピンセットは「必修アイテム」です!
専用の交換部品なだけにピッタリとはまります。

FUNK/MONI部のゴムの内側には透明な強度を上げる板が元々入っていますが、交換部品の中には入ってないので忘れないように移植させておきます。

    【交換作業終了】

裏蓋を戻してネジ4箇所を締めれば完成です!

もっと簡単に交換できるだろうと思っていましたが、思いのほか手間取りました。大きいゴム部分の裏側をいかにうまく作業するかが成功のポイントです。

ここだけ"新品"になりました。
ちょっとしたことですが"自己満足度"は高いです。